寝たきり介護のオムツ交換を丁寧にスムーズに行う方法とポイント
2019.3.13
寝たきりの介護で一番苦労するのがオムツ交換です。
オムツ交換をすること自体抵抗を感じてしまう方も多いですし、交換中に周囲を汚してしまうといった悩みもあります。
では、どのようにすればオムツ交換を丁寧にスムーズに行うことができるのでしょうか。そのポイントとは?
トイレの失敗は誰にでもあることです。
一番辛いのは、オムツを交換される本人だということを理解してあげましょう。
この記事の目次
寝たきりの介護で悩むオムツ交換。オムツ交換の手順
テープ止めタイプのオムツ交換の手順を説明します。
- 仰向けの状態でテープを外し、オムツを広げます。
- 被介護者の足を広げて陰部を洗浄しましょう。
- 被介護者の右側に立ち、被介護者を左側に寝返りさせます。
- お尻を清拭したら、お尻側の汚れたオムツをお尻の位置まで丸め、お尻の下にはさみます。
- 新しいオムツは、奥側の端を丸めて、お尻の下にはさみます。オムツの中心線が背骨の延長線上にくるように丸める位置を調整してください。
- パッドはギャザーを起こして、オムツの上に敷きます。
- 体を反対側に寝返りさせます。
- 汚れたオムツを抜き取って、丸めておいた新しいオムツを広げます。
- 位置を整えたら、被介護者を仰向けの姿勢に戻し、パッドを当てます。
- パッドがオムツのギャザーに収まるように、両手の人差し指をギャザーの内側に添えながら、オムツを当てます。
- お腹の中心でオムツを合わせ、下のテープは水平または上向き、上のテープは下向きに止めましょう。隙間ができないようにぴったり止めてください。
- ウエスト部分、足回りのきつさを確認します。指が1本入る位のゆとりは必要です。
- 肌着がオムツの中に入っていないか、太もも部分のフリルが内側に入っていないか、パッドがオムツのギャザーに挟まっていないかなども確認してください。
寝たきり介護のオムツ交換をスムーズに行うポイント
オムツ交換の手順がわかっていても、実際に行うときにはスムーズにいかず、失敗してしまうことも多いのではないでしょうか。
これは、徐々に上達していくものなので、はじめのうちは仕方がないことです。
手順とポイントを抑えて、繰り返し挑戦していきましょう。
オムツ交換は、事前に環境を整えておくことでスムーズにできます。
オムツ交換をする前に、自分が動きやすい位置までベッドの高さを調整しておきましょう。足の付根の少し上あたりにベッドがくると、腰にも負担がかかりにくいです。
事前にオムツに折り目をつけておくと、オムツの中心線がわかりやすく、体の中心に当てることができます。
オムツ、パッドは吸収剤を表にして、二つ折りにしておくのがおすすめです。
パッドは男女で当て方が異なります。
女性は広い面が後ろになり、凹んでいる部分を山型にして尿道口に当てます。男性はパッドをろうと状にして組み立てて、パッドで陰茎を包み、その上にパッドをかぶせるようにして当てますよ。
オムツ交換がスムーズにできれば、介護者、被介護者両方の負担軽減につながります。
慣れないオムツ交換も回数をこなせば上達しますので、これらのポイントを参考に、技術を磨いてください。
寝たきり介護のオムツ交換を手早く丁寧に行うための工夫
オムツ交換は、手早く済ませることばかりに気が向いてしまうと、「漏れ」や「汚れ」の原因になります。漏れは被介護者の快適なベッド生活の妨げになりますし、汚れをきれいに拭き取らなければ、感染症の原因になってしまうこともあります。
オムツ交換のスピードはもちろん大事ですが、それよりも「丁寧に」行うことの方がより大切です。手早く丁寧にすることができれば、完璧ですね。
オムツ交換を手早く丁寧に行うためには、事前の準備が大切です。
オムツ交換の手順をイメージしながら、必要な物品を手が届く場所に用意しておきましょう。
ズボンを下ろした状態、オムツを広げた状態など、オムツ交換の途中で被介護者を放置することは絶対にやめましょう。
被介護者の恥ずかしさや不安な気持ちを最小限に抑えてあげることも大切ですので、忘れ物のないように、準備万端にしてからオムツ交換をはじめるように心がけましょう。
寝たきりでオムツ交換をする際に準備したい物
手早く丁寧なオムツ交換には、事前の準備が最も大切なことは先程説明しました。
それでは実際に、オムツ交換をする際に準備しておく物品についてあげていきたいと思います。
【準備物】
- 介護用エプロン
- 使い捨て手袋
- 替えのオムツとパッド
- ボトルシャワー
- 石鹸
- 清拭用の布
- トイレットペーパー
- 新聞紙
- ビニール袋
- (必要に応じて)塗り薬や保湿剤
ボトルシャワーは陰部洗浄に使います。専用のものも売っていますが、ペットボトルのキャップにキリで穴を開けて手作りすることもできます。
ボトルシャワーには、水ではなく適温のお湯を入れて使います。
清拭用の布は、柔らかい布を用意しておきましょう。はぎれの布や、古くなったタオルを切って使うこともできます。
熱いお湯に浸けてしぼったものを使いましょう。
これらの物を準備しておけば、スムーズにオムツ交換ができます。
ベッド付近に必要な物をひとまとめにしておけば、用意もラクです。
介護する側もされる側も、気持ちよくオムツ交換をしたいものですね。
オムツ交換はできるだけこまめに、そして自尊心を傷つけないことが大切
高齢で寝たきりになった身内のオムツ交換は、身内とはいえども抵抗を感じるものですね。手順がわからず不安だったり、被介護者から拒否されて嫌な思いをした人もいるのではないでしょうか。
しかし、オムツ交換は介護する上では大切な介助の一つです。
オムツ交換を怠ったり、粗末にすると、悪臭やかぶれ等の原因になるため、こまめに交換することが大切です。
始めは慣れないオムツ交換も、慣れてくれば嫌な気持ちも薄れ、手早く終えることができるようになるでしょう。
忘れてはいけないのが、被介助者の気持ちです。
介護者がオムツ交換に抵抗を感じる以上に、被介護者はオムツ交換を嫌がります。
恥ずかしかったり、申し訳なかったり、抵抗するのには様々な感情があるでしょう。
介護者はそのような被介護者の気持ちを理解し、もしも被介護者がオムツ交換を拒否するときにも、怒ったり、大きな声を出したりすることがないように注意しましょう。
嫌だと感じながらも、オムツ交換に強力してくれた非介護者には、「オムツを交換させてくれてありがとう」の感謝の気持ちを伝えましょう。
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