父親が怖い。子供を怒鳴る親が子供に与える悪影響について。
2018.5.31
父親のことが怖い。
父親に対して恐怖を感じる。
父親が威圧的だったり、突然キレて怒鳴るなどの性質を持つ人物だったなら、子供のあなたは父親に傷つけられながら、育ってきたと言えるでしょう。
残念ながら親が必ずしも子供にとって、最良な存在ではないことがあります。
本来ならば守られるべき存在の子供を、脅かしてしまう親も存在します。
父親が怖いと感じながら育った心の傷を、少しでも軽くできることを願っています。
この記事の目次
父親が怖い。怒鳴る父親に育てられた子供は人間関係の構築に苦慮する。
みなさんは、「アダルトチルドレン」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
頭文字をとって”AC”とも呼ばれるこの言葉は、機能不全な家庭で育った等の原因から、子どもの頃に感じた不安感や怖さ、寂しさを抱えたまま、大人へ成長した人を指す言葉です。
アダルトチルドレンの人たちの抱える大きな要素として、人間関係が上手く築けないことや、人とコミュニケーションがとれないこと、そして人そのものが怖いということが挙げられます。
いわゆる「対人恐怖」というものです。
人は生まれたときから一人ですが、人間は一人では生きられない生き物です。
小さい頃から、みんな誰かに助けられ、また助けたりしながら生きていくものです。
「対人恐怖」を抱える人も例外ではなくありません。
しかし、人と上手く関わっていきたいという気持ちを持っていながらも、同時に「人が怖い」という気持ちも持つのは、とてもつらいものではないでしょうか。
ひとえに人が怖いといっても、対応は人によって異なります。
「人前で恥をかいてしまうのではないか。」
「他人からバカにされたらどうしよう。」
という心配をいつも抱えていますので、その心配から手足が震えたり、息苦しくなったり、汗を大量にかいたり、という体の症状が現れます。
また、対人恐怖に悩むアダルトチルドレンの方たちは、過去に人と接したときに深く傷ついた体験からこのような症状になるケースが多いようです、
父親が怖い!親が子供に対して怒鳴ると、子供に対する悪影響は?
とある大きなショッピングモールで、子どもを連れたお父さんが、子どもを人前で激しく叱責する場面を見たことがあります。
理由はわかりませんが、他人ながら何もそこまで怒らなくても…と感じた出来事でした。
大勢の人の前で父親に怒鳴られた子どもは、その後、怯えたような顔で父親の後ろを歩いていたのが印象的でした。
人に暴力をふるってはいけないということは、誰しもが頭では理解していることですが、威圧的に怒鳴ることもこれに匹敵するくらいしてはいけないことなのです。
特に子どもの頃に受けたショックな出来事は、大人になっても記憶に残り、子どもの精神の奥底まで傷つけることになります。
子どもの中では、関わる人の中では「親」が圧倒的に大きな存在であるはずです。
その親に怒鳴られるようなことが日常的に続いた場合、子どもの心は萎縮して、親の顔色をうかがったり、怯えながら行動するようになるでしょう。
そして、そのまま成長していけば、おのずと人と積極的に関わることは避け、孤立したり、家に引きこもったりといったことになってしまいます。
また、そのように育った人は、人とコミュニケーションを取る手段を知らないので、そのまま大人になったら、今度は自分より弱い立場の人間(部下や子ども)に父親にされたような威圧的な態度をとるということもおおいに考えられます。
子どもをしつけるということは、子どもを育てるという上では重要なことですが、「しつけ=怒鳴る」ということではないですよね。
特に幼少期に親と接する時間は、その子どもが今後の人生を歩む上で一番重要な時間といってもいいでしょう。
子どもに怒鳴ることが日常的になっているという人は、子どものためにも、しつけ方を改善していく必要があります。
父親が怖い!怒鳴るし、殴る。そんな時は父親の元から逃げる道もある。
自分の父親が日常的に怒鳴ったり、暴力をふるうような場合、恐怖に耐えながら日々暮らしていくより、物理的に父親から離れるということがもっとも重要です。
可能であれば、その家を出るのが一番です。
学生の場合は、まだ一人暮らしは難しいですが、寮付きの学校に進学するという方法もあります。
暴力が日常茶飯事になっていれば、母親や他の兄弟も恐怖を感じている可能性がありますので、そんなときには、一緒に家を出ましょう。
大切なのは、暴力をしている当事者以外の全員が家を出ることです。
暴力をする相手が自分に逆らうと怒りでさらに暴力に激しさが増し、残された家族に危害が及ぶ可能性があります。
緊急の場合は警察に駆け込むのが得策です。
その後、生活しているだけの余力があれば、そのまま暮らしていくのが良いですが、自分たちだけでは生活していくのが難しい場合も、暴力の被害者を保護してくれる施設もあります。
諦めて暴力に怯えながら暮らすよりも、あなたはあなたの人生を自由に歩む権利があるのです。
こうした施設があるという逃げ道を知っておくだけでも、少しは安心ではないでしょうか。
親が必ずしも、子供にとって良い影響を与える存在だとは限らない。
親は子どもにとって絶対的な存在であるということは当たり前のことですね。
親にとっても「子はかすがい」というように、家族を結ぶこの世で大事な存在といえるでしょう。
しかし、親の中には子どもに平気で手を上げたり、大声で怒鳴ったりという人もいます。
子どもは親を選べません。
自分の実の親が、そんな暴力的な親であるという変えられない事実に、余計に苦しみ、深く傷ついているのです。
「父親が怖い」という恐怖症の状態にある人というのは、体と心がSОSのサインを出しているということ。
そのような状態にあれば、前述のように、無理に父親と一緒に居る必要はありません。
自分の人生を守るために、「逃げる」という選択肢があります。
そして、落ち着いたら自分を取り戻すという作業も必要です。
辛い感情を抱えたまま、過ごしていると、不安や恐怖の記憶は頭に残ったままです。
この辛い感情を書き出すこと(父親にされて嫌だったこと)を紙に書き出すというアウトプットの作業をすることで、頭の中がクリアになり、少しは楽になるでしょう。
時間をかければ恐怖心は克服することができる。
厳しい父親に育てられ、びくびくしながら子ども時代を過ごしてきた女性が、大人になってもなお「男性が怖い」という感情が変わらないというケースがあります。
これは、子どもの頃に植えつけられた「父親=怖い」という感情が、その記憶のまま大人になり「男性=怖い」という脳の錯覚が起きているということです。
人間の脳は、恐怖が自分の身に繰り返し起こることで、理性を失い、さらに自分自身でその恐怖を大きくしてしまうことがあります。
この女性のケースは、脳の誤解から起こっていますので、脳にきちんと把握させる必要があります。
「大人になった今は私を苦しめる父親はいない」というように、意識的に脳に働きかけることで、脳の誤解を解くという必要があります。
時間はかかるかもしれませんが、繰り返し自覚させることで、脳の働きは変わってくるのです。