労働基準法違反を通報する?雇い主に都合の良い働き方はやめよう
2018.5.25
労働基準法違反についてのニュースを聞かない日はありませんね。
自分が働く環境がいわゆる『ブラック企業』なら、あなたは労働基準監督署へ通報しますか?
労働基準法違反を労働基準監督署へ通報する手順や、実際に通報した方の体験談などをまとめてみました。
働く環境を整えるのは、経営者ではないので難しいですよね?
でも、働いた残業代が支払われないことや、休日が取れないなどの働く環境で、仕事をするべきではありません。
この記事の目次
労働基準法違反を通報する流れについて
自分が勤めている会社や職場での待遇について、労働基準監督署へ通報したいと考えているけど、実際にどのように行えばよいのか知っていますか?
まず、労働基準監督署とはどのような機関なのでしょうか?
労働基準監督署とは、労働基準法に基づいて事業所を監督する機関であり、労災保険の給付などをおこなう厚生労働省の出先機関となっています。
労働基準監督署って、厚生労働省の出先機関なんですね。
では実際にどのようなことを労働基準監督署へ通報することができるのでしょうか?
- 採用・労働条件・勤務時間などの就業規則について
- 解雇について
- 賃金について
上記の3点が主に多く寄せられる相談内容だそうです。
職場の労働環境が労働基準法に違反していると思うのなら、まずはその証拠を集めなければなりません。
次に、その証拠を元に労働基準監督署へ行き事業所の労働基準違反を通報。
事業所の労働基準違反を、調査してもらうように依頼。
と言う流れになります。
労働基準監督署へは、毎日多くの通報が寄せられます。
ですから、自分が持ち込んだ事案が必ずしもすぐさま調査対象とはなりません。
ですから、職場への愚痴にもにたような通報では絶対に調査の対象とはならないと言ってもいいでしょう。
確固たる証拠を集め、労働基準監督署へ足を運び、通報することが重要になります。
メールやファックスでも受け付けられていますが、やはり本気度を示すなら訪問するべきでしょう。
それくらいの覚悟がないと、働く環境を改善することはできません。
ただの仕事の愚痴になってしまいます。
自分の置かれている立場が、労働基準法違反なのか、単なる仕事の愚痴なのかをしっかりと見極めて証拠集めをするようにしてください。
労働基準法違反の通報は密告になるの?
自分が働いている職場が明らかに労働基準法に違反しているのなら、まずは事業主と相談する必要があります。
その上で、解決に至らないのなら、労働基準監督署へ通報するという方法もあります。
この時に「自分が通報したとバレたら、せっかく職場環境が改善されても仕事をしにくくなる」と思いますよね?
ですが、労働基準監督署は「○○さんからの通報により監査に入りました」などと、通報者の身元を明かすことはありません。
また、定期監査と言って、なんの通報もないけれど労働環境を調査することもありますから、安心して通報するようにしましょう。
それでも「告げ口」のように感じて後ろめたいですよね?
でも、明らかに労働基準法に違反している職場を放置しておくのもまた罪なのです。
自分たちでは解決できないのなら、労働基準監督署へ通報してみましょう。
労働法違反を実際に通報してみました。
友達が実際に労働基準監督署へ職場環境改善のために通報したことがあります。
その話を聞いてみました。
従業員は友達一人しかいなかったので、通報したら絶対に自分だとバレると思っていたけれど、辞める覚悟があったので通報してみたそうです。
その時は、まさか本当に労働基準監督署から、立ち入り調査が入るなんて思ってもいなかったそうです。
先ほども説明しましたが、労働基準監督署とは、厚生労働省の出先機関です。
厚生労働省のホームページを見ると、職場環境の相談メールを受け付けるページがあります。
そこから
- 会社名
- 職場の住所
- 自分の名前
- 連絡先
- 会社の状況
などを事細かに記載する箇所があり、記入漏れの内容に細心の注意を払って入力し送信したそうです。
メールを送信して、1ヶ月を過ぎたころ、労働基準監督署から事業主に対して出頭命令が届きました。
友達は、立ち入り調査があるのだとばかり思っていたのでびっくりしたそうです。
事業主は、残業代の未払いや、有給休暇取得についての就業規則を整備するようにと注意を受け、改善しますと言う誓約書を書かされたそうです。
事業主は、労働基準監督署の担当者にどうして出頭命令が出たのかを聞いたそうです。
すると、担当者は「厚生労働省からの指示だから詳細はわからない」と答えたそうです。
きっと、事業主はモヤモヤしたまま残業代を支払い、有給休暇を与えているだろうと言っていました。
労働基準法違反での立ち入り調査はどの位おこなわれているの?
2015年に労働基準監督署が立ち入り調査した事業所は全国で約16万社あるそうです。
調査に入った事業所のうち、約7割の事業所が労働基準法違反がありました。
毎日多くの相談が寄せられる労働基準監督署の監査官の話では、過労死などの危険性が高い事業所から順に調査を進めるそうです。
このような査定をおこなう際には、提供される情報の内容の正確性が重要になってきます。
すぐにでも改善して欲しいと思って、適当なところで通報するのではなく、しっかりと証拠を集めて詳細かつ正確に通報するようにしましょう。
労働基準監督署へ通報しても、改善されないことの方が多い?
セクハラやパワハラなどでは労働基準監督署の監査は入りません。
残業時間が異常に多かったり、残業代の未払金額が多いなどでも、過労死に繋がるレベルではないと早急に対応してもらえないのが現状のようです。
ですが、事業主の都合の良いように働き続ける義務はありません。
あきらかに、安全衛生を逸脱するような職場環境だったり、最低賃金さえ守られない環境なら、詳細な証拠を集めて厚生労働省または、労働基準監督署へ相談または通報してみてください。
もちろん、自分は倫理的に職務に専念することを忘れないでくださいね。