大学を早期卒業するメリット・デメリットについて
2018.5.8
大学の早期卒業にはどんなメリットがあるのでしょうか?また、早期卒業のデメリットとは?
日本ではあまり聞いたことのない早期卒業ですが、優秀な学生は早期卒業制度を使うことができるようです。しかし、大学によってその制度は違うので気をつけましょう。
就職に有利なのは、早期卒業なのでしょうか?それともぴったりで卒業すること?気になる早期卒業について紹介します。
この記事の目次
大学の早期卒業のメリットといえばお金?
早期卒業は1年分の授業料、生活費が節約できる+収入が1年分増える
1年早く卒業できるので1年分の授業料と生活費を節約できます。1ヶ月の生活費を10万円とすると1年間で120万円かかります。それに学費を加えると合計で200万円の節約になります。
首都圏の大学に通っている場合の生活費はもう少し高くなるので300万円は節約できることになるのではないでしょうか。それに1年早く大学院に入学するので、同期の修士卒学生よりも1年早く働き始めることになります。
大学院の修士課程を卒業した人の初任給の平均は23万円(厚生労働省平成28年賃金統計調査より)なので最初の1年で300万円ほど稼ぐことになります。
早期卒業は発展的な内容に早く触れることが出来る
1年早く大学院に入学できるので、大学院レベルの講義、研究をいち早く出来ます。研究の面で違ってくるのは、指導教官からの扱いになります。大学院生は研究を中心にするので、学部生より長い時間研究をします。
大学の早期卒業はメリットになる?
このまま行くと後期で単位が取り終わるので、4年生では就職活動のみに力を入れて、就職が難しい時代なので頑張ろうと思っていましたが、家庭の経済状況が悪くなったので大学を早期で卒業するか、休学するか悩んでいます。例え半年でも授業料を払わないと、親は少しでも楽になるのではないかと思います。
就職活動を経験し、今は社会人です。前に飛び出る分はプラスになります。民間企業では。3年で卒業したということは3年で単位を全部とったということなので、優秀性のアピールになります。しかし今は9月。就職活動は大手の7.8割は12月~3月である程度進んで行くので、その時期に就職活動に集中できないのは損です。可能かもしれませんが、両立は大変です。また銀行などの一部の会社はそのようなケースを新卒扱いしない場合もあります。
特に戦略がないなら普通に就職活動をして4年で卒業したほうがいいと思います。
大学の早期卒業は就職に対してはメリットにならない?
3年生で早期卒業の名誉を受け、卒業式にのぞむはずだったKさん。3月の初め暗い顔をして私の所に相談に来ました。
Kさん「早期卒業をするのですが、進路決定届けを出さなくてはいけませんか?」
私「学校としても卒業生の進路の捕捉しないといけないので、とりあえず出してもらえません?」
Kさん「就職が決まっていません」
私「これから頑張りましょう」
Kさん「既卒になるので希望の会社にエントリーも出来ない」
こんな会話でした。その数日後に両親が学校に来られました。「アドバイザーが早期卒業で就職することのデメリットをきちんと説明しないからこのようなことになった!」ともうそれは大変な剣幕でした。アドバイザーは私のことです。
早期卒業制度は、私の大学では成績優秀者に与えられる制度。一定の成績基準を満たさないと認定されません。早期卒業は本人は前年の10月に申請するようになっています。Kさんは10月には早期卒業をしようと考え申請していました。
就職する場合早期卒業のメリットはあまり感じられません。Kさんは卒業式の前に早期卒業をやめました。
日本で大学の早期卒業が少ないのはどうして?
高校2年生(もしくは17歳)から直接大学に入学する入学制度は、物理、数学の2分野に限り1998年(平成10年度)の大学入試から導入されました。その後の2001年(平成13年)にはすべての分野での飛び入学が可能になりました。
大学では3年間で卒業できる「早期卒業制度」が1999年(平成11年)から制度化されています。又大学院の修士、博士課程においても「早期終了制度」があります。
このように飛び入学はごく少数の「例外」になっているのが実情です。欧米では飛び入学は社会的に知られていますが、どうして日本では広がらないのでしょうか?理由の1つとして「エリート教育」批判があります。もう1つは学歴の問題になります。大学へ飛び入学後に中退すると学歴は「中卒」になるのです。
アメリカの大学の早期卒業のメリット&注意点
アメリカの大学は日本の大学と違い、必要な単位さえ取れば卒業することができます。そのために3年で卒業する人もいれば4年で卒業する人もいます。
僕は3年で大学を卒業することを選びました。3年で卒業することは大変ですが、それ以上のメリットがありました。
入社時期が日本と揃う
アメリカの大学は8月入学、5月卒業が一般的です。なので4年かけて卒業すると日本の同学年の友達が4月に就職するのに間に合わせることが出来ません。でも1年早く卒業したことによって足並みをそろえることが出来ます。
早期卒業をするには、かなり計画的に授業を履修する必要があります。ただでさえ、勉強をすることを求められるアメリカの大学で、周りの人より単位を取らないといけないので、いい成績を収めるには遊ぶ時間を削ることになります。少なくとも僕は3年で卒業出来てよかったと思います。
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