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書道のお手本並みの行書を書くコツやポイントをご紹介!

2018.2.25

書道には行書と呼ばれる書体があります。様々な場所で多く使われる書体ですが、上手く行書が書けずに困っている方も多いのでは?

行書はどんな書体?楷書と書き順は異なる?行書を上手く書くには?

お手本並みに上達するコツやポイントをご紹介します!

書道のお手本にする行書とはどんな書体?

行書とは、隷書(れいしょ)から派生した文字の書体です。

楷書とは違い、点画が繋がったり略されて書かれることがあります。

しかし、草書ほど字形を崩した書き方はせずに、速筆に向いていながら読みやすいのが行書の特徴といえるでしょう。

楷書と草書の中間に位置するかのように思われますが、楷書とほぼ同じ時期に誕生しており、楷書よりもわずかに先に生まれているのです。

古代の中国では、草書は一般的な手紙に使われ、公文書や祭礼文書などかしこまったものには行書が使われていたようです。

 

行書の5つ特徴

  • 点画と字形は見た目が曲線的である
  • 点画を連続し、繋げて書くことがある
  • 点画を省略してしまうことがある
  • 筆順が変わることがある
  • 文字の「はらい」が「止め」になるなど収筆が変化することがある

 

行書・草書ともに実は厳格なルールはありません。

とくに行書は、表現の幅が広いので楷書風にも草書風にも書くことができます。これが、行書の最大の特徴であり、利点であると言えるでしょう。

書道のお手本にする行書、楷書とでは書き順も違うの?

行書では、筆を使って書いたときの筆運びのしやすさから、本来とは違う書き順になることがあります。

学校、特に小・中学校の時は国語の授業で止めやはね、はらいなどとともに、描き順も正しく書くよう指導され学習します。

もちろん、描き順にも書きやすさや、正しい字を書くための意味があります。

中学生以下の子どもが行書を学ぶ際には、描き順など楷書で書く場合との違いを混同しないように注意することが必要でしょう。

 

点数をつける必要がある学校のテストや学習では、正しい書き順や収筆はきちんと覚えておく必要があります。

その一方、自由に書道を楽しむ場合には、最低限のルールをふまえた上で自由に発想し、表現することも大切になるのです。

パソコンやスマートホンを利用したメールの利用が増え、手書きで文字を書くことの楽しさや可能性を今一度見直してはいかがでしょうか。

お手本のように書道の行書が上手くなる方法、コツは?

行書が日常生活の中で多く使われている理由の一つは、早く書けるということです。

行書には、楷書同様に基本的な書き方の技法があります。

この基本をしっかりと身につけた上でなければ、行書を書きこなすことは困難です。

行書らしい文字を書くには、曲線的に書く、点画をきちんと繋ぐのではなく、空間を作るように書く、ということが大切です。

【火】…左右の離れた点の続け方

【月】…画と画をどう続けるか

【学】…点と画の続け方

【林】…左の「きへん」左下方への線から、右の「木」の一画目への連続性

【古】…縦画から下の「口」への続け方

一例を上げると、このように楷書では離れた字画も一筆やそれに違い連続した筆運びが必要になります。

普段書く楷書の文字とは書き順や流れ、バランスが変わってくるので何度も練習することが必要です。

お手本並みに書道が上手になるには正しい筆使いが重要!

筆を使って文字を書いているときに、筆先がねじれたり、グチャグチャに乱れた状態になったことはありませんか?

さすがにそのまま書き続けることはできないと判断して、硯の上で墨を含ませながら筆先を整えた経験は誰にもあることでしょう。

もしくは、そうならないように一画進めるたびに毛先を整えるという人もいます。

習字教室の講師ですら、そういった動きをすることがあります。

 

ですが、本来は正しく筆先をコントロールして、どのような筆運びをすればよいかをきちんと判断できれば、そもそも筆先がそこまで乱れることはないのです。

もちろん、墨を含ませつつ筆先の形を整えることは必要なことではあります。

しかし「筆先が乱れる」ということは、「正しい筆遣いができていない」というサインなのです。

それを無視して、乱れる筆先をちびちびと整えているうちは、何十年筆を使っても正しい筆使いなどできないのです。

筆が乱れていると気づいたら、自分の筆運びが正しいかどうかを基本に立ち返って見直すべきなのです。

書道の行書はいつ誕生したの?行書は字体の種類が多い?

紀元前202~220頃の「漢時代」は、中国の文化が発展・進歩した時代です。

実用的だった初期の「古隷」という文字が、その後の製紙技術の向上・墨や筆の改良によって「はらい」や「はね」を美しく協調した「八分」となり、前漢未は隷書体として広まりました。

後漢(25~220)頃には、優美な隷書が描かれた石碑が多く作られ、そこから行書や草書へ変化していきました。

 

字画一つ一つをしっかりとかく楷書と、それらを崩して繋げる草書は、字形として両極にあるものです。

行書は、その中間の形を取り両方の特徴を併せ持っています。

楷書よりは崩れているもの、草書よりは字画がクリアなものは幅広く行書に属しているといえます。

点画の省略や連続などは文字によっても異なり、筆順も変化します。

たとえ同じ文字であっても、そのバランスやデザイン性には大きな変化の幅がある文字なのです。

この記事の編集者

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