知識に知恵を与える

知識に知恵を与える│INTELIVIA

着物のカビの取り方~自宅でできる方法とお手入れの注意点

2018.5.10

せっかくの着物もしばらく袖を通していないうちに、気付くとカビが生えている!なんてことはありませんか?

普段、なかなか着る機会の少ない和服は、タンスの中に置いておく時間が長いですよね。普通の洋服がカビるのもショックですが、高額な着物となると洋服以上にショックです。

家でもカビを落とすことは可能なのでしょうか?着物のカビ汚れや、うっかり汚れの取り方についてご紹介します。

着物のカビの取り方、カビが生える原因は?

着物は、普段なかなか着る機会がないので、一度も袖を通していないという着物でも知らないうちにカビが生えていることがあります。
カビの原因を知り、家でも出来る対処を考えてみましょう。

着物にカビが生える原因は?

着物には地糊というものが使われています。着物を作る工程で、ある程度は落ちていますが、完全に取り切れない場合が多いのです。残った地糊が湿気で腐り、そこからカビが生えやすくなってしまいます。

カビの原因はご存知、湿気です。カビが好む条件は湿度が多いことと、風通しが悪いことです。最近のマンションや住宅は気密性が高くなり冷暖房の効率もよくなりました。

しかし、密閉性が高いがゆえに、風通しが悪く湿度が貯まりやすくなってしまうのです。

ですので、意識して窓を開け空気の入れ替えを行ったり、たまには押入れを開けっ放しにして空気の通り道を作ってあげましょう。

今は冷暖房が整い人間も快適ですが、カビが繁殖しやすい条件としても揃っています。

大切な着物にカビが!自分でできる軽いカビの取り方

着物のカビに気付いたら、軽いカビでしたらご自宅で対処することも可能です。

その時に使うのが、ベルベットや別珍、ベロアなどの立ち毛の素材です。

この立ち毛の布でカビをゴシゴシと擦り落とします。毛足の長い立った毛が、絹の繊維の中に入り込みやすく、カビを落としてくれます。

軽いカビならば、この方法で取ることも可能ですが、カビは生地の表面だけではありません。カビの奥にあるカビの菌までは落とすことができないので、生地の奥にひそんだカビ菌を除去するには、やはりクリーニング屋さんにお願いするというのが一番です。

ご自宅でできる処置は応急処置で、クリーニングに出す時間がないという場合にはおすすめですが、根本的な解決にはなりません。

カビが広がると臭いも強くなってしまうので、早めにクリーニングに出すのがおすすめです。

着物のカビの取り方~自宅とクリーニングどちらがいいの?

着物のカビはしっかりと落とすならば、やはりクリーニングがおすすめです。

自分でできるカビ取りは、表面に見えるカビだけを取り除いて、その下にはまだカビが潜んでいるからです。

また個人で、無理に力を入れて生地をこするとダメージを与える場合もあり、せっかくの着物が傷んでしまうのはショックですよね。

専門のクリーニング業者に出す場合には、料金の目安としては、5,000~10,000円くらいのところが多いようです。しかし、これはカビの程度や範囲の広さによっても変わることがあるかもしれません。

また、着物のカビ取りは、洋服の一般的なクリーニングの日数よりも時間が必要です。数日から数週間かかる場合もありますので、早めにお願いしておくことが大切です。

着物にカビを発見した場合、他の着物にもカビが生えてしまっている可能性があります。カビの予防には、タンスの中に除湿剤を入れることはもちろん、天気が良く空気が乾燥している時に、タンスの引き出しを10cmほど開けて、中の空気を入れ替えましょう。

また、年に数回でもタンスから着物を出して干してあげると、さらにカビが生えにくくなります。着物を干す時には、引き出し自体も天日に当ててあげると、乾燥効果や除菌効果も高まります。

ついつい付いてしまううっかり汚れの対処法

ついつい付いてしまう、うっかり汚れ。
すぐに対処するのがシミにならない一番の方法です。

着物についた汗ジミ

着物を着ると、緊張するため、いつも以上に汗をかいてしまいがちです。汗が染みた部分は、霧吹きなどで少量水をかけて、タオルで叩いて汗を吸わせます。その後には、風通しの良い場所でしっかりと乾かしておきましょう。

着物についた口紅やファンデーションのメイク汚れ

化粧品などの油性の汚れは、ベンジンをガーゼに含ませ、着物の下には布を敷いて下さい。シミの上からトントンと叩くようにして、下に敷いた布に汚れをしみ込ませます。
気を付けることは、擦らずにトントンと叩くこと。擦ってしまうと生地が傷んでしまうので気を付けましょう。

着物にコーヒーや紅茶がついた場合

食器用洗剤などの中性洗剤を、水で15倍くらいに薄めてシミを濡らします。シミの下には布を敷き、歯ブラシなどでトントンと叩いて布に汚れを移します。この時にも擦らないことが大切です。

着物を長く着るためには正しいお手入れが必要

着物を着た後に、一見汚れが付いていないように見えても、脂汚れが付きやすい首回りや袖には、汗や皮脂が付いています。
脱いですぐには見えなかった汚れも、時間が経つとうっすらとシミとして現れるということはよくあります。
長期保存する前には、やはり専門のクリーニングに出した方が、長く着物を着ることができるでしょう。
専門の業者さんでは、汚れを落とすことはもちろん、着物独特のふんわりとした仕上がりを保ちつつも、しっかりときれいにしてくれます。

この記事の編集者

INTELIVIA

INTELIVIAでは日々の生活の中から学ぶことを大切にすることで、知識を知恵にプラスする情報を少しづつですが更新しています。

WEB SITE : http://intelivia.jp/

 - よりよい生活に役立つ知恵