ポスターカラーと絵の具の違いは?それぞれに良いところがある!
2018.2.13
絵を描くときに使う機会の多いポスターカラーと絵の具ですが、この二つの違いについて考えたことはありますか?
ポスターカラーを使って絵を描いた方が良いのはどんな時?絵の具を使うとどんなふうに絵が仕上がるの?特徴を知って綺麗に絵が描けるようになりましょう!
今回は、ポスターカラート絵の具の違いと、上手く色を塗るコツについてお伝えします!
この記事の目次
ポスターカラーと絵の具の違い・ポスターカラーの特徴
ポスターカラーの特徴は、不透明色であることと、彩度の高い発色です。
下地が乾燥したあとなら、その上に重ね塗りすることで下地の色をほとんと隠すことができます。
ある程度なら加える水分を増やしても、不透明さを保持して、広い面でもムラなく塗ることができます。
同じように不透明な絵具としてはガッシュがありますが、色を出すための顔料やバインダー(固着剤)に低価格な素材を使用しているため、ガッシュよりも手ごろな価格になります。
学校での美術の授業やビジュアル作業など、大量に使用するのに適しています。
「ポスターカラー」という名称ですが、耐水性ではないため屋外の展示などには不向きです。
耐水性が必要な場合にはガッシュを使用すると良いでしょう。
工作用に改良されたポスターカラーでは、プラスチックの表面に描画することも可能です。
ポスターカラーとの違い・絵の具の特徴や種類
「絵の具」の中にも使われている原材料などにより発色や風合いが異なり、描画する際の手順なども違ってきます。
水彩絵の具の特徴
水で溶きのばして使う絵の具で、顔料を展色剤としてアラビアゴムで溶いて練り上げて作られていますが、アラビアゴムよりも価格の安いデキストリンを使用しているものもあります。
チューブの他に、ブロック状に乾燥させた固形の物もあります。
展色剤が多い「透明水彩(ウォーターカラー)」と展色剤が少ない「不透明水彩(ガッシュ)」があります。
油絵具の特徴
油彩に使用する絵の具で、顔料を乾性油などの固着剤で練り上げています。
ぺトロールなど揮発性の溶き油で伸ばしながら描画します。
油絵具には透明性の高いものが多いのも特徴です。
岩絵の具の特徴
日本画で使われる絵の具で、鉱石を砕いた細かな粉末の状態です。
水で溶いた膠(にかわ)を固着剤にします。
岩の具は天然の素材であり、色によっては非常に高価なものがあります。
ポスターカラーと絵の具の違いって何?
アクリル絵の具も、水彩絵の具(透明・不透明)も水で溶かして描くのは同じなのに、何が違うのでしょうか。
絵の具は、「顔料」(色の素材)と「バインダー(展色剤)」を練り合わせて作られます。
絵の具の違いは、バインダーに何が使われているかが大きな違いです。
水彩絵の具ではアラビアゴムが使われていますが、アクリル絵の具ではアクリル樹脂(アクリルエマルション)が使われています。
そしてアクリル絵の具の最大の特徴は、描くときは水を使って描くのに、乾くと画面が耐水性になるということです。
ですから、使った筆を水に浸けずに放置すると、カチカチに固まってしまい使えなくなってしまいます。
また、描くときにあまり水を多くすると耐水性や発色が弱まることがあります。薄く伸ばしたい場合は、専用のメディウムなどを使うと耐水性や発色を保持して使うことができます。
ポスターカラーを塗るときのコツはあるの?
ポスターカラーを使うコツは、水で薄めすぎないことです。
筆の後が残るか残らないか程度の粘度で、スムーズに筆が進むギリギリの濃さが理想です。
塗る範囲の内側を丸筆で縁取り、次に中を一気に塗りましょう。乾かないうちに手早く塗るのがムラを作らない秘訣です。
ポスターカラーはペンキに似ていて、同じ色合いを広い面で塗るときに適しています。
明るい色にしたい場合は、元の色に白か黄色を。暗くしたい場合は黒や紺を混色します。
このとき、あまりいろいろな色は混ぜないことをおすすめします。
ポスターカラーは、色を加えすぎると濁ってしまい、せっかくの鮮やかな発色を損なってしまいます。
広い面を塗るときは、幅の広い筆や刷毛を使います。
濡れている間はムラが見えても、乾けばムラが目立たなくなるのもポスターカラーの特徴です。
マット水彩とポスターカラーはどう違う?
不透明な仕上がりの絵の具にはポスターカラーの他にもガッシュやマット水彩があります。
ガッシュは乾くと耐水性ですが、マット水彩もポスターカラーも耐水性はありません。
では、マット水彩とポスターカラーの違いはなんでしょうか。
ポスターカラーは、水分量を多くしても不透明な色調です。ある程度の濃度であれば、下地の色を隠して塗ることができます。
マット水彩は、水分量の調節で透明水彩のような表現もできる、いわば「半透明水彩絵の具」。
マット水彩は、ポスターカラーのようにも、透明水彩のようにも使えるということになります。
絵の具の特性を知って、表現に合わせて使うことができれば、表現の幅を広げることもできるでしょう。
絵の具は、現在も改良されたものが登場するので、たまに品揃えの多い画材屋さんをチェックすると楽しいですよ。
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